朝から豚汁うどんの脂質にやられ、お腹の調子が悪い。
でも、今もっとキリキリ痛む場所がある。
「心」だ。
明日12月10日、そして明後日12日。
私にとっての「決戦」の日がやってくる。
借金240万円を抱えながら、さらに99万円のローンを組んで挑む「インプラント手術」だ。
正直に言おう。
めちゃくちゃ怖い。逃げ出したい。
今日は、38歳のおっさんがなぜこれほどまでに歯医者に怯え、それでも手術を決意したのか。
その「恐怖の正体」と向き合ってみようと思う。
崩壊したブリッジ、限界の「1本足打法」
今回、私が手術を決意した理由はシンプルだ。
「もう、物理的に限界だった」から。
私の口の中(前歯の隣)は、長年の不摂生と不運が重なり、戦場のような状態だった。
- 10年前:歯ぎしりで歯が砕け、健康な歯を削ってブリッジにする。
- 5年前:ブリッジの支柱だった歯が割れ、抜歯。支えが減る。
- 現在:ついに残った最後の支柱も割れた。
結果、「たった1本の歯で、4本分のブリッジを支える」という、物理法則を無視したような極めて不安定な状態になってしまった。
少し前歯で噛むだけで、グラつくのがわかる。
「ジリ貧」なんてレベルじゃない。崩壊寸前だ。
抜歯してインプラントにするしかない。
生活は苦しい。借金もある。でも、ここで投資しないと一生「噛めない人生」になる。
そう頭ではわかっている。わかっているけど……怖いものは怖い。
なぜ私は「歯医者」がこれほど怖いのか
私の歯科恐怖症は、筋金入りだ。
大人になった今でも、予約の日が近づくと動悸がする。
トラウマ1:幼少期の「羽交い絞め」
小さい頃、泣き叫ぶ私を親と医者が羽交い絞めにして治療した。
痛くて手を上げたら、先生はこう言った。
「痛いっていうのは、こういうことだ!」
そう言って、診察用の棒を思いっきり患部に押し付けられた。
あれは治療じゃない。暴力だった。あの時の絶望感は、今でも昨日のことのように思い出せる。
トラウマ2:高校生の「柿ピー事件」
高校時代、放置した虫歯(穴あき状態)で柿の種を食べた瞬間。
視界が真っ白になるほどの激痛に襲われた。
ハレーションを起こしたように世界が白くなり、冷や汗が止まらない。
その後の治療も地獄だった。麻酔をしているのに、神経を針でゴリゴリされるたびに鋭い痛みが走る。
高校生にもなって、診療台で泣きそうになった。
そんな経験があるから、「歯医者=痛みと恐怖の場所」という図式が脳に焼き付いている。
大人になってどんなに嫌な仕事や理不尽な客に耐えられても、歯医者の「痛み」だけは別格なのだ。
明日の「クリーニング」すら怖い
金曜日の本番(手術)はもちろん怖いが、実は明日(水曜)の「前処置クリーニング」にもビビっている。
「ただの歯石取りでしょ?」と思われるかもしれない。
でも、私には左上に「神経まで達しているかもしれない」疑惑の歯(C3)がある。
あの超音波スケーラーの水が、そこに直撃したら……?
想像するだけで背筋が凍る。
「イケイケどんどんで進めてきたけど、本当に大丈夫なのか?」
「詳しい説明もないまま、まな板の上の鯉になるのか?」
不安は尽きない。
ぐらぐらのブリッジが、型取りの時に「グイっ」と外れたりしないだろうか。
静脈内鎮静法(眠くなる麻酔)を使うとはいえ、手術中に目は覚めないか。
それでも、Reboot(再起動)する
それでも、私は行く。
この恐怖を乗り越えない限り、「美味い飯を美味いと感じる未来」は来ないからだ。
明日は、恥を忍んで先生に言うつもりだ。
「めちゃくちゃ怖いです。痛かったらすぐ麻酔してください」と。
逃げずに戦ってくる。
同じように歯科恐怖症で悩んでいる人がいたら、私のこの無様な戦いを見て、少しでも勇気を持ってもらえたら嬉しい。
まずは明日。生きて帰ってきます。